庭に1輪ヤナギランがさきました。30年ほど前軽井沢に山小屋を建てて間もない頃はあちこちに赤いワーゲンのオープンカーで走り回ったことでした。小諸近くの高峰高原には山すそから頂上までの道にヤナギランが咲き乱れ、頂上はニッコウキスゲのお花畑が広がっていました。頂上付近の道端はマツムシソウなどの高山植物の宝庫でした。それらの花々ははじめてみるもの、別天地!。マツムシソウは虫のマツムシではなく源氏物語の光源氏から求愛をうけ、まわりの女性の嫉妬に耐え切れず嵯峨野の奥に逃れた松虫、鈴虫姫さながらのかれんなはなでした。「ニッコウキスゲの花畑で軽井沢のベルコモンズの前の京樽で買った(当時はコンビなし)ばってらのあじがわすれられない」は一緒にいった友人におかあさんの口癖。今はビートルも、ベルコモンズも、京樽のない、あの夢に国のような高峰高原の花園もない。一緒にいったこどもたちも30代、40代のおじさん、おばさんになりました。